書籍紹介「ものづくり維新 世界で勝つための10箇条」
題名:ものづくり維新
世界で勝つための10箇条
著者:吉川良三
概要:
①元サムスン電子の著者が日本メーカーの今後のあるべき姿を論じている。
②日本は世界で技術力ではなく”もの”で負けた。”もの”とは市場が本当に欲しているのであり高い技術力さえあれば作れるものとは異なる。
③日本メーカーはずっと先進国向けのビジネス展開、成長前のサムスン電子は新興国向けにシフトしていったがこれが勝敗を分けた。
④新興国ではローテクでも顧客が本当に欲しがる機能を有した製品が売れる。高機能だから売れるということはない。
⑤日本は過剰に信頼性を高めたがる。サムスンは”壊れたら交換すればいい”と割り切りスピードを意識した開発をする。だから検査工程も極力減らす。
⑥コストを下げれば品質が下がるのは世界の常識。日本は品質据え置きでコストダウンだけ目指すから大変。
⑦”つくり”のスペシャリストである日本メーカーは今後世界に製法を伝授して共に繁栄してくべき。
⑧これからのグローバル時代にはマネージャーではなくリーダーが必要。リーダーは今までの組織を変革する人を指す。日本にはリーダーがいない。
感想:日本は過剰品質を売りに出来る市場をもっと持つべきだと感じた。世界のメーカーと同じことをやってももう遅い。逆転の発想で打って出るべき。
本文で「日本の洗濯機がインドで売れないのはサリーが洗えないからであり、中国ではジャガイモが洗えないからだ。」とあったが現地を見ない技術者には想像もつかないことだと驚いた。