19世紀日本の科学技術ー教育制度欧米が絶賛
2016/07/25
2016/06/28 日経産業新聞より引用
おはようございます、月光です。今日は過去の日本を振り返る記事を展開します。
★記事要約
●明治開国前夜の1853年、米国のペリー提督は黒船を率いて浦賀に来航し、大統領の親書を江戸幕府に提出した。そして翌年再び日本に来航し、横浜で日米和親条約を結んだ。これが鎖国日本の開国であると同時に、科学技術ニッポンの、世界への第一歩となった。
●ペリーは帰国後「日本遠征記」3巻を刊行した。その中で慧眼(けいがん)にも「日本人は探究心と技能に優れた、世界にもまれな人たちだ。必ずや世界に雄飛するだろう」と見抜き、次のような感想を述べている。「日本人は非常に巧緻な技術を持ち、彼らの技術の完全さは素晴らしい。日本人は最も成功している工業国民にいつまでも劣ってはいないだろう」
●そして日本の将来を、こう予言した。「彼らは間もなく、最も恵まれた国々の水準にまで達するだろう。日本人が一度文明世界の技能を持ったならば、強力な競争者として、将来の機械工業の成功を目指す競争に加わるだろう」。1世紀先をぴたりと予言した鋭い洞察は素晴らしいが、ペリーを感心させた日本人も、確かにただ者ではない。
●英国の世界的な科学誌であるネイチャーが創刊間もない1877年、英国と欧州のエンジニアリング教育を、東京大学工学部の前身である工部大学校と対比させて批判したのは興味深い。
「エンジニアリング教育は国家の重大事であるにもかかわらず、英国は組織的エンジニアリング教育で遅れている。若者に対しては手作業の訓練ばかりで、理論的な教育がない。一方、欧州大陸では正反対に、理論ばかり教えて実習させていない。エンジニアリングには、サイエンスと実体験の両方が必要なのだ」
●「エンジニアリング教育において英国と欧州諸国が、このようにはるかに遅れてしまっている間に、日本政府は東京帝国大学において、高度の科学的訓練と工学実習を組み合わせた、偉大なエンジニアリング教育制度を完成させた」と、その内容を詳しく述べながら絶賛している。
●東洋の端にあって、はるかに遅れて近代化に乗り出した日本を、最先進国の英国のモデルにしたのだ。歴史が証言するこの「智と技のDNA」とそのバランス感覚を、現代の日本人も、大いに自信を持って発揮してもらいたい。
★コメント
ペリーはよく日本を観察し、書物に記録を残していたようだ。その内容には目を見張るものがある。過去のこととは言え日本人として誇りに思う。
いまや世界的権威であるネイチャーで綴られた以下の文言は現代の日本ものづくりにも重要だと考える。
「エンジニアリングには、サイエンスと実体験の両方が必要なのだ 」
「智と技のDNA 」
鎖国の時代でさえ日本人のものづくりスピリットは秀逸だった。現代の何でも有りな情報社会ならもっと飛躍出来るはず!自信を持って世界と戦う、そんなものづくり立国であって欲しい。
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