カナツ、折り曲げ可能な透明導電膜
2016/07/25
2016/04/08 日経産業新聞より引用
おはようございます、月光です。今日注目の記事をピックアップしお伝えします。
記事(引用):カナツ、折り曲げ可能な透明導電膜
『フィンランドのベンチャー、カナツ(ヘルシンキ)はウエアラブル機器や自動車のタッチパネルに使う折り曲げ可能な透明導電膜を開発した。タッチパネルの形状の自由度を高めることができる。特殊なカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)を活用。(中略)
透明導電膜は電子機器で指などの動きを検知するタッチパネルを構成する主要部材。ガラスや樹脂の基板上にコーティングし、導電性を付与する。現在主流のITOを使った透明導電膜は折り曲げると割れやすいうえ、レアメタル(希少金属)のインジウムを使うため価格高騰のリスクがあった。(中略)
製造方法も工夫した。多くの企業がカーボンナノチューブを混ぜた液体を塗布する手法を用いており、面内でカーボンナノチューブの密度がばらつくのが課題だった。カナツは炭素を含む原料ガスから高温でカーボンナノチューブとフラーレンを組み合わせた材料を作り、基板上に均一に堆積させる方法を開発した。(省略)』
★コメント
最近よく目にするキーワード「折り曲げる」関係に寄与する新技術がフィンランドより報告された。透明導電膜としてメジャーなITO、これを置き換えることを目論んでいるらしい。折り曲げたり、湾曲させたり、フラットな製品に世界は飽きてきたのだろうか?多くの記事を見る限りこの流れは今後主流になる可能性が高い。日本ものづくりとしても当然この流れに乗っかるべきだろう。しかし、過去の反省を生かしたアプローチが必要と考える。新規技術開発に支えられて新規事業が立ち上がる、ここまではいい。問題はこの技術を世界標準としてリリースすることができるか、ガラパゴス化した日本だけの標準に留まるかだと考える。過去に、携帯及びスマホ、半導体、液晶等で日本は辛酸を舐めてきた。技術力は世界トップクラス、でもシェアはぼちぼちではあまりに悔しいではないか。名実ともに世界トップの力と実績を日本ものづくりが取り戻すために、新しい波に興奮しつつも過去の反省を頭に置き冷静に対応してほしいと願う。