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日経産業新聞

電子部品、半導体旧世代工場ライン新生、「レガシー装置再び」

2016/07/25

2016/07/21 日経産業新聞より引用

おはようございます、月光です。今日は電子部品メーカーが旧世代半導体工場を新生する記事を紹介します。

記事概要

●東京エレクトロン 中古を再生販売
キヤノン 旧型対応の新露光機
電子部品メーカーが求めている半導体技術は、メモリーやMPU(超小型演算処理装置)に使うような最先端の微細化技術ではない。

●むしろ業界で「レガシー(遺産)装置」と呼ぶ一昔前の装置に需要が集まる。

●旧世代の工場ラインを再活用でき、投資を抑えられるためだ。製造装置メーカーも、中古品の再生や旧世代製品の復刻で関連ビジネスを拡大する。

●あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の動きに合わせセンサーや通信回路、電流制御回路を組み込んだ電子部品への需要が爆発的に増える見通しだ。

●スマートフォン(スマホ)の普及を背景に、電子部品メーカーは半導体工場の確保を進めてきた。村田製作所は2008年に富士フイルムの仙台工場、12年にルネサスエレクトロニクスの小諸工場(長野県)を取得。太陽誘電は14年に日立製作所の青梅工場(東京都)を買収した。

●電子部品メーカーが求めるのは、多くが直径200ミリ以下のウエハーに対応する数世代前の古い工場だ。かつてはメモリーなどもこうした工場で生産したが、現在の主流は1枚から得られるチップ数が多い300ミリの大口径ウエハーだ。

●だが電子部品向けの半導体はサイズが小さく、単価も桁違いに安い。古い半導体工場をベースに、製造装置を一部入れ替えたり改造したりしたほうが安上がりになる。

●国内最大手の東京エレクトロンの春原清執行役員は、「20年以上前に納品した装置がIoT向けでは現役で使われている。当時は夢にも思わなかった」と話す。

●200ミリウエハーに対応した新製品を投入する装置メーカーも出てきた。キヤノンは今月5日、クリプトンとフッ素の混合ガスで発生させるKrF光源の露光装置で、200ミリ対応の新製品を17年ぶりに発売した。

●実は日本は200ミリ工場の生産能力では世界首位。かつて世界最大の半導体生産国だった頃に建設された当時最先端の工場が残っているためだ。日本の電子部品メーカーはこの遺産を引き継いで世界に挑む。

●半導体製造装置の国際業界団体SEMIによると、200ミリ工場の生産能力は月産約500万枚。300ミリ工場への切り替えなどで減ってきたが、今後は増加に転じ2019年には同540万枚程度になるという。

●日本がIoTの担い手となり、半導体産業を維持できるのか。いま正念場を迎えている。


コメント

いずれなくなると誰もが考えていた半導体200ミリライン、IoTにより復刻されるようだ。非シリコン系ウエハを用いたデバイスにも有用なため市場はジワジワ広がる見通しである。

この中古装置を使って新製品を作るという発想は美しい。投資を抑えて付加価値の高い製品が作れたり、新たなデバイスのために新規ノウハウが必要になったりとビジネスだけでなくエンジニアリングとしても面白い。

最先端という響きは格好いいが最終製品が過去の延長線上にあるものでは今後先細りする可能性が高い。

ローテクで作れる新しいもの、これは一風吹きそうな予感である。日本ものづくりの再興としても注目したい。

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