月光のものづくり立国再興応援!.COM

日本のものづくりに関わる全ての人に有益な情報を提供しものづくり立国再興を応援するサイトです。

日経産業新聞

ミニロケットの失敗は衛星でリベンジ、キヤノン電子宇宙事業への挑戦

2017/02/06
ども~月光っす。
1月にミニロケット発射が失敗に終わったキヤノン電子が間髪入れず今度は衛星打ち上げを実行する記事が出ていたので紹介します。

衛星事業と聞くと如何にも『費用が掛かりそう、時間が掛かりそう、仕様が複雑そう』という印象があり取っ付きにくいテーマですよね。

しかし、キヤノン電子の酒巻社長は『プリンターなどよりむしろ衛星の方が簡単なぐらい』と一刀両断します。

どういうことなのでしょうか?

結論からいうとプリンターって衛星作るのと同じ位大変ってことなんですね。

身の回りに当たり前のようにある機器も開発から製造までものすっごく大変な道のりを経て作られる物なんですよね。

改めてそう感じました。

あと、特注品を民生用で代用して品質、コスト、デリバリーを改善させる取り組みは多くのものづくり関係者が納得のいく取り組み方だと考えます。

参入障壁が高いと思われた事業も実は隙がたくさん有るのかもしれないですね。

新規事業を興したい方々は刮目してみて下さい!

キヤノン電子、衛星に活路、オフィス発、宇宙へ、「実はすごい」プリンター技術転用、早く安く、生産革命。2017/02/06  日経産業新聞

キヤノン電子が宇宙への挑戦を続ける。オフィスにあるレーザープリンターなどに使われている技術を元に部品を早く安くつくり、人工衛星を組み立てる。1月のミニロケットの実験は失敗に終わったが、この春に衛星が打ち上げられる。酒巻久社長は「2030年ごろには売上高の半分に相当する1000億円を宇宙関連事業で稼ぐようになる」と語る。

「(プリンターなどより)むしろ衛星の方が簡単なぐらい」。宇宙関連事業の技術的な難しさを聞くと酒巻社長は自信をみせる。その根拠は、キヤノン電子が製造している部品が過酷な環境下で使われ、それに耐え抜いていることにある。

プリンターやコピー機の中では、六角形の微細な多面鏡が1分間に5万回という速度で回る。「ポリゴンミラーモーター」と呼ばれる部品だ。光源から出た光が多面鏡に反射、感光ドラムに向かう。感光ドラムにあたった光に応じてトナーが紙に付着して印刷物が完成する。印刷物の出来具合は多面鏡が設計通りに回転しているかによる。

モーターの設計上の耐用年数は約5年。その間、コピー機やプリンターの内部という狭い空間でモーターは多面鏡を正確に回し続け、数百万枚印刷しても、品質を維持する。
キヤノン電子はモーターの技術を衛星に転用する。衛星を回転させて遠心力を起こし、それによって衛星を動かす「リアクションホイール」。モーターにも使われる磁気の力で衛星の姿勢を制御する「磁気トルカー」。どこのオフィスでも使われているような部品が宇宙用精密部品に生まれ変わる。

実は時間とコストさえかければ、衛星の生産はそれほど難しくない。キヤノン電子のセールスポイントは早さと安さだ。

これまでの衛星は国家プロジェクトとしてつくられており、部品や部材は特注が基本だ。注文を受けた電子部品メーカーでは、特注のため、コストや納期への意識が薄れてしまい、発注から納品まで1~2年かかることも珍しくない。

それをキヤノン電子は「2~3カ月に縮める」(未来技術研究所の佐藤積利所長)。部品の価格も数分の1に抑える。

プリンターに代表されるオフィス機器のビジネスでは、部品をどれだけ安く早く提供できるかが勝負の分かれ目になる。そこで求められるのが(1)設計と生産の分離(2)量産を前提にした設計(3)汎用の製造装置の使用――の3つの原則だ。

キヤノン電子は3つの原則を衛星の部品づくりにあてはめている。分業による生産性向上と量産効果を発揮させ、部品1個あたりの製造コストを引き下げる。効率も良くなるので早く作れる。
この安さと早さの方程式は、衛星が自分の位置を把握するためのセンサーにも適用している。

光を電気信号に変換して映像化するCMOSイメージセンサー。デジタルカメラの「電子の目」と言われる部品だ。キヤノン電子はCMOSイメージセンサーを太陽の向きをつかむ「サンセンサー」や恒星の配列をみる「スタートラッカー」に転用する。

衛星はこれらの部品を使って太陽や恒星と自らとの角度を測り、自分がどこにいるのかを判断する。大航海時代の船乗りと同じ手法だ。これを可能にするのがレンズとセンサー、画像処理ソフトの3者の組み合わせの技術だ。

衛星には「東京・秋葉原で買ってきた」(酒巻社長)キヤノン製の高性能デジタルカメラ「EOS 5D」を載せる。これと直径約40センチメートルの鏡を組み合わせて撮影用装置にする。地上にある約90センチメートル四方の大きさの物体を判明できるような画像の撮影が可能だ。民生用としてはかなりの高解像度で、道路や建物、自動車の車種、往来する人の数もわかる。

キヤノン電子の衛星の大きさは、縦横50センチメートル、奥行き85センチメートル。「超小型人工衛星」と呼ばれるサイズだ。重さは約65キログラム。打ち上げ時の重さが3・5トンの気象観測衛星「ひまわり8号」などに比べて軽くて小さい。

現在、衛星を数百~数千基単位で打ち上げて統合的に運用する計画が世界各地で相次いで練られている。その中心は上空からカメラで撮影し、様々な情報を取得する小型の商業衛星だ。航空写真などに比べ高頻度・広範囲の情報を集めることができる。農業や災害対策のほか、物流コンテナや自動車の数などを調べて市場調査に使うこともできる。

キヤノン電子は今回の衛星を試験機に位置づけている。インドの宇宙研究機関のロケットで他の衛星と一緒に打ち上げられる。ロケットの準備や他の衛星の都合もあり、打ち上げ時期は3~5月で調整している。
キヤノン電子は衛星を2年間運用し、性能を実証する。その後は(1)衛星の製造受託(2)部品外販(3)衛星で撮影した画像配信――で収益を得る。

宇宙関連事業には難しさもある。キヤノン電子が宇宙航空研究開発機構(JAXA)と開発したミニロケットでは、通信途絶で発射実験が失敗した。キヤノン電子はロケットの頭脳に相当する制御ユニットなどを開発していた。現時点でキヤノン電子のユニットが原因になったと言われているわけではない。ただ、今回の衛星の運用がうまくいかなければ、宇宙関連事業の冷や水になる。

関連記事『ミニロケット打ち上げ失敗は成功の元、キヤノン電子』

ブルーベリーは【実より葉】

朝の目覚めに特化した朝専用スムージー

就寝中のこむら返り対策に 人気の【ミーテ・ライトロング 】

翌朝ドッサリ!自然植物100%ダイエットサポート茶

現役エンジニアによるオンラインプログラミングスクール

『週刊東洋経済』定期購読促進

Nend広告

スポンサーリンク

相模大野ヴァイオリン教室の紹介ページ

-日経産業新聞