月光のものづくり立国再興応援!.COM

日本のものづくりに関わる全ての人に有益な情報を提供しものづくり立国再興を応援するサイトです。

日経産業新聞

ボツ技術が鮮やかに復活、 新起業手法「カーブアウト」とは?

2017/02/09
ども~月光っす。
大企業の選択と集中によって”ボツ”になった技術ってどの位あるのでしょうか?

月光自身新規事業に関わったことがありますが、やはり”ボツ”にされてしまいました。
理由は『他社との差別化が難しい』『コストが掛かりすぎる』など納得のいくものでした。社員は落胆し、モチベーションも下がりまくりで可哀想に見えました。

ただ何年かして「もっとこういう展開に持って行けばビジネスになったのではないか?」などアイデアが浮かんできたりします。

でも大企業は一度ボツにした技術開発を再開する事は難しく、その間ライバル企業はどんどん先に行ってしまっているのが常なんですよね。

そんな大企業のボツ技術を再興させる手法があるようです。

それが今回の記事で紹介されている「カーブアウト」という手法です。

カーブアウトは簡単に言うと『企業から事業の種(シーズ)を切り出してベンチャー企業を設立する方法』と定義されます。

ベンチャーキャピタルなどから資金導入して独立し意思決定を速める特徴があるそうです。

大企業で熟成された技術のタネをベンチャーが開花させる、そんな形が日本ものづくりの新しい形になったらいいと思いました。

ボツ技術切り出せ、新起業手法「カーブアウト」、ソニー発、電力を見える化、明治発、難病の新薬開発。
2017/02/09  日経産業新聞

大企業の中核事業から外れた技術やノウハウを切り出して創業するベンチャー企業が増えている。大企業から独立する志を持った起業家と、資金や人材、経営ノウハウを支援する投資家の両輪が機能し始めたからだ。

その技術、眠らせない――。
「エアコンがついて電子レンジが動き出した。夫が帰宅したんだな」。都内で働く会社員の金沢美可さん(33)は職場でスマートフォン(スマホ)の画面を見て思った。
金沢さんが使ったのは家庭の電力を見える化するアプリ「うちワケ」。家電ごとのリアルタイムの使用状況がわかる。住宅の分電盤に小型センサーを取り付けるだけで、次世代電力計「スマートメーター」などよりも大幅に安く見える化できる。節電にも取り組みやすく「月間の電気代も10%減った」と金沢さん。

VCと組む
うちワケを提供しているのはソニー発ベンチャーのインフォメティス(東京・港)だ。かつて人気を集めた犬型ロボット「AIBO」にも使われた人工知能(AI)の技術を活用。センサーからクラウドに上げた電力の波形や周波数をAIで解析し、いま動いているのが洗濯機か冷蔵庫かなどを判断する。

実はこの電力見える化サービス、「お蔵入り」寸前だった。「技術の価値を世に問いたい」。ソニー社員だった只野太郎インフォメティス社長(48)は2012年7月、切羽詰まった思いで語りかけた。相手はベンチャーキャピタル国内最大手ジャフコの福本太郎氏(44)だ。

ソニーで回路設計などに携わった只野氏は当時、環境エネルギー分野の新事業チームを率いていた。技術に手応えはあったが、ソニーは構造改革のさなか。新事業を続けるのは難しかった。

相談を受けた福本氏は「エネルギー分野のほか、ビッグデータ・ビジネスの可能性もある」と直感。2人は熱海で合宿するなどして事業計画を練り、13年4月、インフォメティスを設立した。

独立手法として選んだのが「カーブアウト」という方法だ。ソニーは出資せず、技術の譲渡とともに人材の一部を送る。ジャフコが株主として「数年分の必要資金を一括で投入し」(福本氏)、只野氏らも株主に名を連ねた。福本氏は取締役として参画した。

「ソニー発」との触れ込みは強みだ。しかしそれだけでは道は開かない。只野社長は「ソニーの技術だけではサービスに落とし込めず、売り上げが立たない期間が続いた」と起業当初を振り返る。英ケンブリッジ大の機械学習の権威との開発などを通じ技術を磨き、実用にこぎ着けた。
16年度の売上高見込みは数億円だ。昨年には東京電力エナジーパートナーと提携。省エネのほか、高齢者や家族の見守りなども広げる計画だ。

カネ余り追い風
インフォメティスのような起業は増えつつある。理由は2つ。ひとつは大企業の選択と集中だ。これが只野氏のような起業家を生む。
もうひとつは資金が向かい始めたことだ。ジャフコの福本氏は「大企業にはベンチャーの種が眠っている」と案件発掘に奔走する。「カネ余り」でベンチャーファンドにお金が集まりやすくなっている背景もある。

今後カーブアウトが有望とみられるのが製薬だ。キュラディムファーマ(東京・千代田)は乳業・菓子大手の明治ホールディングスの製薬部門が抱えていた新薬候補物質のライセンスを受け難病の治療薬開発に挑む。
3年余り前。産業革新機構の山木英裕氏(41)は明治の担当者から社内で継続が難しいシーズがあると打ち明けられた。多発性硬化症と呼ばれる難病に関する候補物質だ。リンパ球が神経を覆っている髄しょうを破壊し、しびれたり視力が落ちたりする。明治は動物実験で候補物質の有効性を確認していたが、開発の優先順位が低かった。

革新機構は14年に投資の検討を始めた。課題は開発や経営をマネジメントできる人材だった。候補者探しに奔走する中、出会ったのが第一三共の内ケ崎哲氏(61)だ。
内ケ崎氏は第一三共で三十数年間、研究開発部門に所属、ヤクルト本社と抗がん剤の共同開発などに携わった。革新機構は内ケ崎氏を社長に迎える形で16年6月にキュラディムファーマを設立。明治からの候補物質のライセンス、民間ベンチャーキャピタルの出資も合わせて13億3000万円の資金調達をまとめた。

「ベンチャーだから意思決定は速い」。キュラディムの内ケ崎社長は強調する。18年に米国で臨床試験を始め、安全性に関するデータを蓄積して大手製薬会社に導出する計画だ。23年ごろの販売開始を目指す。
大企業を飛び出した起業家への支援は広がりを見せる。次世代炭素材料「グラフェン」を手掛けるインキュベーション・アライアンス(神戸市)。村松一生社長(55)は神戸製鋼所の出身だ。村松氏がこの素材にかけて同社を起業して9年後、革新機構が出資した。

神戸製鋼所で炭素を使った新素材の開発に取り組んできたが、2000年前後の鉄鋼不況で新規事業をやる余裕がなくなった。5年ほどグループに勤めた後、07年に退職、神戸市内のマンションの一室で起業した。
神鋼が持つ高圧技術を活用。国の補助金を利用して神鋼から1台3千万円の装置も購入しながら、グラフェンを大量に製造する技術を確立した。
16年3月には産業革新機構が7億円の投資を決定。エア・ウォーターや花王も出資し、開発を加速している。

熱伝導性が高く軽量なグラフェン放熱部材はスマホやウエアラブル端末向けの市場が急拡大する見通しだ。村松社長は自ら米シリコンバレーにも赴き、現地の新興企業に売り込んでいる。
村松社長は大学時代から通算36年間、炭素の研究に携わってきた。共同開発を進める花王とは神鋼が1996年に炭素の磁気ディスク事業を譲渡した経緯がある。「必ずグラフェンを実用化し、新しい産業を興したい」と目を輝かせる。

日本の大手の研究開発力は世界に優れるものの、事業化されず、眠る技術も多いとされる。大企業で経験を積んだベテラン技術者らと、それを支える投資家の二人三脚が一段と増えれば、日本経済の起爆剤となる。

ブルーベリーは【実より葉】

朝の目覚めに特化した朝専用スムージー

就寝中のこむら返り対策に 人気の【ミーテ・ライトロング 】

翌朝ドッサリ!自然植物100%ダイエットサポート茶

現役エンジニアによるオンラインプログラミングスクール

『週刊東洋経済』定期購読促進

Nend広告

スポンサーリンク

相模大野ヴァイオリン教室の紹介ページ

-日経産業新聞