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日経産業新聞

水素量産、光合成に着想

2016/07/25

2016/02/24 日経産業新聞より引用
『水素社会の実現に向けて燃料電池車や水素の供給技術の開発が進んでいるが、最大の課題は、大量の水素の製造方法だ。(中略)
茨城県つくば市にある産総研の実験室で、黄色く濁った液体の入ったフラスコがライトに照らされていた。佐山和弘首席研究員は「太陽光のエネルギーを液体中にためる実験です」と話した。
黄色い液体は、鉄イオンが溶けた溶液にビスマスなどを使った光触媒の粉末を混ぜたものだ。光を当てると触媒が水を酸素と水素イオンに分解し、電子が発生する。この電子を鉄の3価の陽イオンが取り込んで2価になる。この2価の鉄イオンが、いわば蓄電池として働く。
(中略)通常の電気分解に比べて2分の1程度の消費電力で水素を製造できる。
この手法は、植物の光合成からヒントを得た。(中略)
今回開発した手法は、現状では約40円のコストがかかる。だが今の触媒のエネルギー変換効率は0・65%で、まだ向上の余地があると研究チームは見ている。「効率を3%に高めることができれば、製造コストは25円程度に下がる」(省略)』

★コメント
燃料電池は、水素と酸素を利用して、水の電気分解の逆化学反応により発電させるシステムを意味するがこの水素に関する記事である。水素を精製する技術は多数あるが低コスト高効率が今後の水素社会のキーワードになる。
著者がまだ受験生だった頃、化学の応用問題で燃料電池に関する問題があった。すでに20年前の話だが、原理がシンプルでクリーンなイメージはずっと変わらない。より安価な製品開発に向けてさらに技術者の手腕が問われる。 クリーンエネルギー社会実現のため是非がんばってほしいものである。

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