液晶部材、投資額9分の1
2016/07/25
2016/07/05 日経産業新聞より引用
おはようございます、月光です。今朝は液晶テレビパネルのコストダウンに関する記事を紹介します。
◆記事概要
●テレビやスマートフォンの液晶パネル装置製造のブイ・テクノロジーは高精細のパネルを安くつくる装置を開発した。多くの電気を通す「多結晶シリコン」のパネルを従来に比べ9分の1の投資で生産できる。
●シャープと鴻海(ホンハイ)精密工業が運営する工場に1号を納めた。有機ELパネルでも使え、大型投資を計画する中国や韓国のメーカーへの納入も目指す。
●原子がふぞろいの非結晶シリコンで形作られた回路を、装置を使って、規則正しく並んだ多結晶シリコンに加工する。多結晶になると電気が通りやすくなり、映像がなめらかになる。
●多結晶シリコンはすでに使われているが、コストが高い課題があった。同社の装置は狙った場所だけレーザーで瞬間加熱し、原子の並びを変えられる。レーザーを通す微小レンズ装置と、基板を精密に動かす制御技術を組み合わせた。
●装置は1台35億円。テレビやパネルのメーカーは、非結晶シリコンを活用する生産ラインに追加して使える。メーカーは新型装置を買えば投資額が9分の1で済む。
●ブイ・テクノロジーは1997年設立で、フラットパネルディスプレーの検査装置などのファブレス企業。2015年に日本精工グループの露光装置メーカーを買収し、16年3月期の連結売上高は前の期比2倍強の391億円となった。今回の新装置では19年3月期に年80億~100億円規模の売上高を目指す。
◆コメント
ブイ・テクノロジーは横浜に本社を持つファブレス企業。非結晶シリコンにレーザーを当てて多結晶シリコンに変える装置で日本電子産業に活を入れる!
一台35億円が高いと思うか安いと思うか、事業規模にも寄るだろうが最先端の露光機と同程度でラインを引き直すコストが掛からないことを考えると安いかもしれない。
有機ELパネルにも使えるらしいから、将来の投資まで考えるとよりお得な気がする。
最近中国のファーウェイがPC事業に参入して来た。え!?いまさらPCと驚いたが見逃された市場があるのではないか?
FPDの分野は「儲からない」と匙を投げるものもいれば新規参入するメーカーもいる。思惑は各社色々だがどの業界にも〃勝ち組〃はいる。勝てるのだ、トップになるのだ、と本気で考えアイデアを絞り出したいものである。