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日経産業新聞

NXP、自動運転向け半導体、買収でピースそろう

2016/07/25

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2016/06/10 日経産業新聞より引用

おはようございます、月光です。今朝はオランダ半導体メーカーNXPセミコンダクターズの自動車向け半導体世界征服の野望に関する記事を紹介します。

★記事要約
● オランダ半導体メーカーのNXPセミコンダクターズは、2015年に約2兆円で米同業を買収し、車載分野でルネサスエレクトロニクスを抜いて世界最大手となった。

●5月に発表した自動運転車の頭脳、ECU(エレクトロニクス・コントロール・ユニット)にさっそく買収先の技術を搭載した。

●自動運転車に欠かせない半導体を1社で納めようともくろんでいる。

●車載半導体分野で世界5位だったNXPは15年12月、同4位の米フリースケールを買収した。

●この分野で長く首位だったのはルネサスエレクトロニクスだった。

●5月に発表したのがECU「ブルーボックス」だ。道路の白線からはみ出さないようハンドルを制御する機能など「先進運転支援システム」の肝となる。同システムの発展が、自動運転車の実現に直結する。

●フリースケールのプロセッサーやパワー半導体の技術を取り込んで、性能を向上させた。そのほかエンジン制御用のマイコンなどフリースケールが強い製品群を手中に収めた。

●ブルーボックスは人間でいう頭脳。大量の入力データを素早く処理できるように8つのコア(演算素子)とメモリーなどを備えた高性能CPU(中央演算処理装置)を搭載した。

●ハッキング被害を想定し、クレジットカードなどで培ったNXPのセキュリティー技術も搭載している。カメラやミリ波の発信装置など一部を除けば、自動運転に必要な要素をNXP1社で提供できる。

●これまで他社製品を組み合わせる場合に必要だった互換性の試験などを簡略化できるメリットもある。既に複数の自動車大手で導入試験を始めたという。

●今後、同システムが発展して自動運転技術が進むと、車載半導体の数は今より10倍必要といわれる。


★コメント
NXPセミコンダクターズとフリースケールの合併によりルネサスエレクトロニクスは世界トップの座を譲ることになった。この二社のシナジー効果が有効に働くと日本ものづくりの岩盤がまた一つ揺らぐことになる。

そもそもルネサスエレクトロニクスは三菱電機、日立製作所、NECがそれぞれ部分合併をして2010年に出来た会社であり、日本最強の半導体メーカーといってもよい会社である。

車載用マイコンが主力の一つであるが車載ゆえ過剰品質が求められ、それにより歩留まりや利益率の低い製品を自動車メーカーに作らされていた感が否めない。自動運転の登場で製品の付加価値を高め利益率の高い製品を作れないものか?

自動運転は確かに魅力的な市場であるが従来以上の品質が求められる気がする。製品信頼性に自信のある日本ものづくりの出番ではないか?

自動運転には多くの課題が噴き出てくるが最終製品を買う顧客の一番の懸念は「本当に事故らないのか?」というシンプルなところだろう。

見た目のランキングは気にせず日本ものづくりの強みを次世代技術に行かしてほしい。そして信頼性が求められる分野でメイドインジャパンを世界にアピールして欲しい。

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