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日経産業新聞

有機半導体、動作速度2倍、東レ

2016/07/25

2016/03/24 日経産業新聞より
『東レはフィルムに印刷して作る有機半導体の動作速度を従来の2倍に向上する技術を開発した。有機半導体は製造コストが安く、設計変更にも柔軟に対処できる強みがあるが、動作の遅さが普及への課題となっている。新技術で作った高速有機半導体は柔軟なディスプレーや物流用のICタグなどの実用化に道を開く技術で、2~3年後に製品への応用を目指す。
成果の詳細は24日から始まる日本化学会で発表する。
有機半導体は、半導体の微粒子が入った液体や、電極用の金粒子が入った液体をインクのように使い、プリンターでフィルム上に集積回路を描いて作製する。
直径2ナノ(ナノは10億分の1)メートル程度の筒状炭素分子、カーボンナノチューブは半導体の性質を持ち、動作速度の指標となる「電子移動度」がシリコンの10倍以上大きい。だが有機半導体の原料インクに用いると、凝集してダマになりやすく、印刷にムラができて高速動作の妨げになっていた。
東レは半導体の性質を持つ高分子素材を新たに開発。ナノチューブの分子の周りに絡めることで、溶液中にナノチューブを一様に分散した。この原料インクでトランジスタを印刷したところ、フィルム上にまんべんなくナノチューブを塗布でき、電極間を電子が高速で流れるようになった。
電子移動度は36平方センチ毎ボルト毎秒で、印刷で作る有機半導体としてはこれまでの最高値を2倍近く上回った。電子移動度が高いと、集積回路の演算能力が高まり、高速動作が可能になる。
印刷技術によって作る半導体は、シリコンで作る半導体と違って真空での製造工程が必要なく、製造コストを安く抑えられる。多品種少量生産にも対応しやすく、フィルムに印刷するので曲面に貼ることができる利点もある。
商品に貼って保管や輸送の履歴を記録していく高性能な物流タグや、折り畳みでできる有機ELディスプレー、汗や血中微量成分を測定する使い捨て医療センサーなどの用途が期待されている。
これまでは動作速度の遅さが実現の壁になっていたが、今回開発した原料インクで作製すれば、これらの機器を安定して動かせると同社はみている。
東レは今後、電子移動度をさらに向上させ、製造工程を最適化して新技術の実用化を目指す。』

★コメント
有機半導体の分野でまた大きな成果が出た。カーボンナノチューブの開発は長いが実用面で課題が多かった。今回はインクの凝集を防ぐ高分子素材の導入でブレークスルーを果たしたようだ、技術者の地道な努力に拍手を送りたい。さらにプリント技術を使うため半導体製造ラインのような巨額投資も必要ない。今後はさらなる電子移動度向上と量産化技術開発が必要である。
日本ものづくり再興のヒントは有機化学になるのかな?と、勝手に考える著者であった。

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