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日経産業新聞

トランプ氏のトヨタ批判は諸刃の剣?

2017/01/10
ども~月光っす。
1月20日にトランプ氏が大統領に就任しますが既に各国とのやり取りが始まってますね。

例えば日本メーカーに取って見逃せない事件が先日ありましたよね。例のTwitterです。
「トヨタはメキシコのバハカリフォルニア州に工場を建て、米国向けにカローラをつくると言っている。あり得ない! 米国に工場を建てるか、高い関税を払え」

これを見て少しドキドキした方もいるのではないでしょうか。

でも大丈夫そうです。

理由は以下になります。
『米国への輸出に高い関税を掛けて打撃を受けるのはむしろ米国自動車メーカーだから』

米国優位な姿勢を全面に出して大統領選挙を突破したトランプ氏、既に矛盾しています。

今後はこういったニュースが増えそうですね、メディアの方はネタとして美味しいですがそのたびに対応させられる側はたまったものではないですよね。

トランプさんもう少し全体をみた方がよろしいのでは?と考える関連記事を紹介します。

トランプ氏、トヨタ批判、高関税なら日本勢有利?、メキシコ生産、米企業先行。

2017/01/10  日経産業新聞

メキシコへの雇用流出に目を光らすトランプ米次期大統領の批判の矛先が日本車メーカーにも向かいつつある。

ただ、北米自由貿易協定(NAFTA)の活用では米ビッグスリーが先行しており、対米輸出に高い関税をかければ打撃を受けるのはむしろ米国勢だ。「米国第一」を掲げる同氏の政策が、結果的に米国外の車メーカーを利する可能性もある。

トランプ氏が先週、自身のツイッターに投稿した短文は過激だった。「トヨタはメキシコのバハカリフォルニア州に工場を建て、米国向けにカローラをつくると言っている。あり得ない! 米国に工場を建てるか、高い関税を払え」

トランプ氏がやり玉に挙げたのは、トヨタが2019年の稼働を目指しメキシコに建設中の新工場だとみられる。トヨタが15年4月に発表したもので、年間約20万台の「カローラ」を生産して米国などに輸出する計画だ。

トヨタの豊田章男社長は5日、メキシコ新工場について「ひとたびやった以上、雇用と地域社会への責任がある」と述べ、計画を見直さない考えを記者団に示していた。トランプ氏は直後にツイッターでトヨタ批判を繰り広げており、豊田社長の発言がトランプ氏を刺激した可能性がある。

3日には米フォード・モーターがトランプ氏に配慮し、メキシコ工場の新設撤回と米ミシガン州の工場増強を発表したばかり。トランプ氏は同日、米ゼネラル・モーターズ(GM)がメキシコから逆輸入している自動車についても「高関税をかけてやる!」と投稿し、生産体制の見直しを迫っている。

自動車業界は工場立地戦略への介入を強める米次期大統領に翻弄されつつあるように見えるが、トランプ氏の発言には客観的事実に基づかない内容も目立つ

例えばトヨタの新工場建設予定地はバハカリフォルニア州ではなくグアナフアト州。新工場で生産するカローラはカナダから移管するものだ。

トヨタの米国法人は「15年に発表したメキシコへの投資で米国の雇用が減ることはない」とのコメントを発表。声明文には米国で30年以上にわたって2500万台の車両を生産してきた実績を明記するなど、トヨタが米国の雇用に貢献している現状も強調した。

トランプ氏の強硬策は、米国第一とは逆に自傷となる可能性もある。日本貿易振興機構によると、トヨタやGMなど日米欧の大手自動車メーカー8社は16年1~10月にメキシコで計282万台の自動車を生産した。このうち米ビッグスリーだけで5割弱を占めており、早くからメキシコ生産に乗り出した日産自動車を除くと、現状では米国メーカーがNAFTAの恩恵を最も受けている

例えばフォードの場合、メキシコ生産車の9割超をNAFTAを使って米国に輸出している。仮にメキシコからの対米輸出に高い関税がかけられた場合、同社のビジネスモデルは立ちゆかなくなり、他メーカーにシェアを奪われる恐れもある。

米国経済の着実な改善を反映し、自動車産業が集積する地域では人手不足が目立ってきた。ある自動車メーカーの幹部は「働き手の一部はメキシコ移民に頼らざるを得なくなっているのが現状だ」と話す。米国人の雇用を守るために反自由貿易と反移民を掲げ大統領選に勝利したトランプ氏の政策は、就任前から早くも矛盾を抱えつつあるように見える。

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